カウントダウンとか。
会社で若い同僚と一緒に尾静脈投与をする実験をしていて、その若い同僚が苦戦している傍らでふと思うことがあった。僕がマウスの尾静脈投与が出来るようになったのは先輩のKさんのおかげだ。
もう10年くらいも前か、Kさんと千本ノックのように練習したことがあった。あれも一つの社内で自分たちの生き残りをかけた仕事だった。出来なかったらプロジェクトが成立しないのでサドンデス。実験はうまくいったけど、結果があまりうまくいかなかった上に、その直後に僕はiPS細胞の実験に関わる形で半ば強制的にそこのマンパワーを剥がされた。そうしてチームも解散。バラバラになって、今に至る。そのKさんも早期退職制度という名のこの間のリストラにあって、今日で最終出社日ということらしい。
なんの因果か、そんなことを思い出しつつ、最後の挨拶をした。21年間、この人からいろんなことを教わった。始末書の書き方は教わらなかった。別の人には教わったけど。愉快なおじさんだったなぁ。結局、彼は独身貴族のまま。モテるモテると言っていたけど、モテていたのを見たことなかったなぁ。一体全体どこでモテていたんだろうか。徹夜でネットゲームしてたらしく、会社に来なかった事もあったなぁ。徹夜でミツバチハッチを見て、深夜に大号泣して、会社に来なかった事もあった。しかも翌日、「お前も見ろ。」と強要された事もあった。
アニメ大好き、ゲーム大好き、ガンダム大好き、PC大好き、野球大好き。車大好き。愛車はコペン。いつまでも少年のようなおじさんだった。
いろいろ思うところはあるけれど、社会人ってこういうものだって、いつもニコニコしながら、社内でうまくやっていく生き方みたいなのを教わった気がする。これでも一応は感謝している。
ちなみに僕は相変わらず人にものを教えるのが下手だ。一緒に実験している若い同僚がすぐ上手にならないのもそれが原因だろうね。抽象的らしい、表現が。面倒見もあまりよろしく無いので、とてもじゃないがKさんようにはなれない。
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